きちんとポインタを補正しさえすれば、弓矢などの操作も含めてなかなか良好と言えるだろう。
リモコンを振り続けると言っても、ちょっと加速度を与えてやれば反応してくれるので特に疲れる事も無い。
しかしその代わり、臨場感・一体感は期待していた程ではない。特にリモコンの動きと斬る方向が連動してくれなかったのは残念。
アイテムに関して言えば、Bを押しっぱなしにする必要の無い爆弾やビン等も
おばちゃんと同様、十字キーを押しただけで使えるようにしても良かったかと。
きちんとドラマがあって、プレイヤーが引き込まれていくようになっている。と書くと解りにくいかも知れないが、風のタクトを思い出して頂きたい。
タクトにはナビゲーターとして「赤獅子の王」なる船が登場するのだが、
彼は世界には何が起こっていてその黒幕は誰でこれからどうすれば良いのか…等の物語の根幹部分を
全て把握していた数少ない登場人物の一人。ナビゲーターとしてあまりに全知全能すぎた故、
プレイヤーが自発的に考え行動する前に赤獅子の指示を受けないことには話が進まない仕様だった。
#少なくとも自分はそう感じた。
今作では確かに「黄昏の姫君」がナビゲーターだが、彼女が「全知全能」なのは結晶石を集める時点までであり、
その後はリンクを導くのではなく、的確な助言をする程度。あくまで冒険の主体はプレイヤーにある点は評価したい。(勿論それがRPGの基本なのだが)
不満点を挙げるとすれば、
・序盤のトワイライトを解放する辺りが多少ワンパターン
→狼になる事で行動を制限されているように感じた。序盤はトワイライトから出にくいのも×。
・ゼルダの出番が少ない
→もちろん初代に比べれば多い方だが、どうしても時オカと比べてしまう。
ただ最後の馬上戦は燃えた。最終決戦のシチュエーションとしてはシリーズ最高だろう。
グラフィックはゲームキューブの性能に準拠(おそらく)しており、PS3等に比べると見劣りする が…コレだけあれば十分ではないだろうか?
ここまで綺麗だと、むしろ帽子や剣が壁にめり込んだりする方が気になってくる。
音楽もなかなか良い。ハイリア湖やゲルド砂漠を始めとする新曲が沢山ある一方で、
ハイラル城やカカリコ村、デスマウンテン、ゾーラの里に加え、要所要所で流れるゼルダの伝説のテーマ、ゼルダの子守唄など伝統をしっかり受け継いでいる。
遠吠えがさりげなくあの曲やこの曲だったりするのも良い。
文字で書いても伝わらないものは伝わらないので仕方ないが、ぜひ一度YouTubeあたりでプレイ中の動画を見てほしい。
盾をオート操作で構えるようになったが、特に従来の作品と戦闘の難度が変わった訳ではなかった。
視点変更の時にもいちいち盾を構えるのは気になると言えば気になる。
風のタクトではAを押すだけで技(今作の背面斬りと兜割り)を繰り出せるシステムだったが、
今作ではそれらは全てマニュアル操作になった。もちろん難易度は上がっているが、
適度な緊張感と爽快感、何よりリンクとの一体感が比較的増したのは良かった。
期待外れだったのは、敵の名前をナビゲーター(ミドナ)が教えてくれない事。Zロック→十字キー上で操作系に組み込めるはずだが…
全体的にボスキャラが弱いのは気になった。
一発の攻撃で受けるダメージが少ないのもあるが、主な原因はやはりその攻撃パターンの少なさと 何もしない時間の長さだろう。
あの程度ならわざわざボス部屋に壷(ハート入り)を置く必要すら無いように思う。
王道のアクションRPGであり、一年延期しただけあってその完成度は高く
他と比べても引けを取らない素晴らしいゲームに仕上がっている。
難易度はこの類のゲームとしてはやや易しい程度だが、やはり初心者にはキツイので
ある程度ゲームに慣れていて、Wiiを買うつもりがあるなら強くオススメする。
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