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NieR: Automata

Eエンドまで回収しました。

ゲームの来歴はこちらをご覧頂くとして、本記事では省略。
本作ですが、実は発売当初はプレイするつもりはありませんでした。Twitter等でちらほら見聞きはしていたものの、第一印象で「女の子がフィーチャーされたよくあるJRPG」だと思ったこと、当時はPC版が無かったこと、そして何よりゼルダとMHXXで大忙しだったのが大きい。ちなみに前作「ゲシュタルト/レプリカント」やDoDシリーズのプレイ経験も皆無です。
ではなぜプレイするに至ったかというと……。ふとした機会にある人の実機プレイを目にしたのですが、自分好みのゲームジャンルへのオマージュ要素が満載だったからです。

現時点でEエンドまでは完遂しています。ここまでの印象で言うならば……。
「世界観の表現」と「ゲームとしての面白さ」を天秤に掛け、両者の間の局所最適解を追求した素晴らしいゲームでした。

注意: ネタバレの記述。
推奨: Eエンドの完遂。

ストーリー

物語序盤の薄っぺらいプロパガンダが薄皮を剥くように少しずつ剥がされていって、最終的に全てがブーメランの如く主人公サイドに返ってくる構図。そりゃ9S君も心折れるよ。
前知識がほぼゼロの状態でプレイし始めたので、当初は司令官とレジスタンスは生身の人間だと思い込んでいました。そうでないと気付いたのは、1週目の遊園地廃墟に辿り着いた時。ポッドの「レジスタンスのブラックボックス反応が〜」という台詞で彼らも人間でない事に気付き、これまでゲーム中で人間を見ていない事実に気付き、強烈な違和感を感じ……人類の状態を薄々察した次第です。

またヨルハ部隊と機械生命体を対比してみると、ヨルハ側は人類の遺伝子情報(ジーン、Gene)を月面に保存し、以って自分たちの拠り所としています。これに対して、機械生命体側は人類の遺した文化や情報ーすなわちミーム(Meme)に興味を持ち、結果的にこれらを模倣・保全しようとしています(もちろん月面サーバーには人類のミームも情報として保存されているでしょうし、機械生命体が収集した地球上の情報にヒトの遺伝子情報が含まれている事は想像に難くありません。あくまでどちらに重きを置いているかという話です)。
詳しくはこの記事を読んで頂ければと思いますが、人類を人類たらしめているのは遺伝子情報だけではありません。膨大な量の情報を後天的に学習し受け継ぐからこそ、我々人類は石器時代にはじまる発展の歴史を歩む事が出来たのです。仮に人類のミームを一切持たない、ヒトのジーンを持つ生命体が在れば、それは文字通りの赤子や……本作で言う誕生直後のアダムのような脆弱な存在でしょう(彼は機械生命体だけあって、素晴らしい学習能力を見せてくれましたが)。一方でヒトのジーンを持たないミームは、本作序盤でその異様さが描写されたように、人類ではあり得ないと言って差し支え無いでしょう。

本作のアンドロイドと機械生命体。より人類に近いのは、果たしてどちらでしょうか?

Dエンドでは機械生命体の情報が宇宙へと打ち上げられましたが、彼らが学習した人類側のミームも少なからず含まれていると勝手ながら解釈しています。かつてのパイオニア探査機の如く、人類やエイリアン、機械生命体、アンドロイドが宇宙に存在した証となるのでしょうか。

2周分、2人の視点から同じ物語を掘り下げてからの、3周目に至る展開。非常に面白かったです。

あえてストーリー面の不満点を挙げるなら、A2とパスカル達が打ち解けるのが早すぎる点でしょうか。ただこの点に関しては、3週目の尺の都合上致し方無いでしょう。

世界について

まず最初に、変な話ですが本作は……広大な一続きの世界を用意したが為に、逆に世界が狭く感じられてしまいました。

本作のマップは基本的に一続きの構造となっており、ほとんどの場所は暗転ロードを挟むことなく移動できます ー いや、できてしまいます。そのおかげで広大な廃墟都市を表現できている一方、いわゆるオープンワールドゲーム程の広大さはありません。その結果、マップ上の多様な景色やキーポイントが非常に近場にあるかのように表現されてしまっています。例えば、
  • 森林から徒歩3分で広大な砂漠に辿り着く
  • パスカルの村が対立勢力との国境線から近過ぎる
  • 工業地帯が都市にこんなに近いのは都市計画的にどうなの?
  • レジスタンスキャンプが数々の危険地域に近過ぎて機密も何もあったものではない
  • A2は永らくアネモネを訪ねていなかったが、実は徒歩数分の範囲をウロウロしていた事になる
……といった点でしょうか。

逆説的に言えば、従来型のゲームは「世界の広さの表現に、マップロードが一役買っていた」と言えます。

例としてモンスターハンターシリーズを挙げると、あのゲームの実質的な1マップの広さは、大雑把に言って闘技場10個分もありません。しかし、森丘孤島全体が本当にそれだけの広さしかないと感じられるでしょうか?少なくとも私はそうは思いませんでした。マップの遠景に加えて、エリアを繋ぐ獣道、川や滝、崖といった地形が、エリアとエリアの間の空間を想像させてくれるからです。
もっと判りやすい例としてはマイナーですが「メトロイドプライム」を挙げることができます。このゲームは惑星の探索をテーマの1つとしており、砂に埋もれた廃墟、溶岩溢れる地下洞窟、一面真っ白の雪原……と多様な景観が見られます。しかしこれらのエリアは高速長大な「エレベーター」によって接続されており、実際には遠く離れている事実をプレイヤーに明示します。

繰り返しになりますが、ゲームデータ上に存在しない「マップ間の空間」の存在をプレイヤーに想像させることは、ゲームの世界の広さを表現する上で重要であったと言えるでしょう。一方でこの広さを実際に描写してみせるのが昨今のオープンワールドゲームです。しかし本作NieR: Automataにはそのような世界の広がりの描写も、描写外の広さを想像する余地も無く、世界が不自然に狭く感じられてしまいました。

また細かい所ですが、ゲーム性より景観のデザインを優先しているキライがあり、プレイヤーに間違ったメッセージを伝えてしまっている箇所があるように思えました。具体的には以下のような景観ですが……
こんな穴が空いてたら、そこは通れると思ってしまうよね?


それにここも通れそうだし、


ここなんかはいかにもジャンプで登れそう。


※全部通れません

上記から冒頭で述べた通り、ゲーム性と世界観表現の間でギリギリのラインを攻めた印象を受けました。

アート

グラフィックもBGMも非常に良い。チップチューン最高。
全体的にグラフィックの彩度が抑えられており、統一感がありながらも、光などの表現でメリハリを持たせた印象です。ちなみにAutomataの世界に目が慣れた頃に別のゲームを起動すると、いつも以上に色鮮やかに感じられて新鮮でした。

ゲーム性

世界観表現に力を入れていますが、決してただの雰囲気ゲーではありません。本作はアクションRPGです。

ボタン連打でのコンボ攻撃やジャスト回避のモーションが作り込まれており、またある程度自動追尾してくれるため、攻撃ボタンをポチポチするだけで簡単に気持ち良くなれるように作られています。
また強いボスに敗れた時に、プレイヤーが取れる選択肢が
  • アクションの腕を磨き再挑戦する
  • 回復薬を買い込んでゴリ押す
  • 武器や装備を強化、最適化する
  • レベルを上げて数字で殴る
……と幅広いのも個人的に好印象です。

強いて言えばハッキング攻撃が強く、かつ2周目から否が応でも頻繁に要求されるようになるのですが、ゲームの流れがぶった切られるようであまり好きにはなれませんでした。

RPGとしての部分、特にサブクエストについてですが、基本的にはJRPG特有のおつかい・探索です。これらサブクエストの本当の報酬は「世界観や登場人物の背景を掘り下げて知れる」点にあり、そこにモチベーションを見出せるなら楽しめるでしょうか。
アイテムや情報の収集要素もあります。そういった要素のコンプリートを目指して楽しめるならオススメです。

操作性

おそらくPS4のゲームパッドに最適化されているのでしょう。キーボード+マウスでプレイするのはかなり辛いです。

PCではキーボードのWASDがキャラクターの移動、マウスカーソルの移動が視点変更に割り当てられています。ここまでは一般的なFPS/TPSの操作系ですが、この役割がそのまま飛行ユニットの2DSTGとハッキングに引き継がれます。すると……キャラクターの射撃方向は、最後にマウスを1ピクセルでも動かした方向に動くようになります。一度やってみると判りますが、なかなか思った方向に向けられずかなりストレスフルです。一応キーボードの矢印キーで代用できますが、ハッキングの度に右手を移動するのもかなり面倒。9Sがハッキングを多用する2〜3周目がそれに輪を掛けます。3Dパートのマウス操作は快適なので、尚更惜しまれる所。
またEエンドのハッキングのみ、何故か射撃方向が自機の移動に連動します。なぜここだけ変えた?

これからプレイする人は、大人しくPS4相当のパッドを用意しましょう。

また地味な点ですが、会話を進めるボタンと攻撃ボタンを同じにされると話した相手を斬ってしまいそうになって困る。
もちろん普通は実害は無いのですが、A2編には普通でない場面があるので……(やらかした)。

まとめ

濃密なストーリーと統一感のあるアートで、表現したい世界観を十全に描ききりながらも、「アクションRPGとしての面白さ」もしっかり備えた良ゲーでした。
それから……各所にシューティングゲームのオマージュと思しき要素が垣間見えるのも個人的に高評価です。トレジャー製STG、ことに斑鳩のような若干錆臭い雰囲気を堪能できて非常に良かった。
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